A型作業所は障害者手帳なしでも利用できる?受給者証と必要書類
2026年5月30日
「障害者手帳を持っていないけれど、就労継続支援A型(A型作業所)は利用できるの?」——これは、就労を考えているご本人やご家族からとても多いご質問です。結論からお伝えすると、障害者手帳がなくても就労継続支援A型を利用できる場合があります。利用のカギになるのは手帳そのものではなく、市区町村が発行する「障害福祉サービス受給者証」です。この記事では、その理由と必要な準備、相談から利用開始までの流れを、兵庫県高砂市の就労継続支援A型事業所「かえで」がやさしく整理してお伝えします。
結論:手帳なしでもA型事業所を利用できる場合があります
就労継続支援A型は「障害者総合支援法」にもとづく福祉サービスです。利用の対象は「障害のある方」ですが、その「障害」の確認方法は、障害者手帳の所持だけに限られていません。つまり手帳がなくても、支援の必要性が確認でき、市区町村の支給決定を受けられれば利用できる場合があるのです。
手帳がない場合、次のいずれかで支援の必要性を示せることがあります。
- 医師の診断書・意見書:発達障害・精神障害・難病などの診断があれば、手帳がなくても対象になり得ます
- 自立支援医療(精神通院)の受給者証:通院の事実を示す書類として活用できる場合があります
- 市区町村による支給決定:福祉窓口での相談を経て市区町村が本人の状況を確認して支給決定を行い、受給者証の交付後も事業所との確認・契約等を経て利用につながります
大切なのは、利用に必要なのは手帳ではなく受給者証だということ。ただし、最終的な可否は市区町村の判断によりますので、迷ったときはまずお問い合わせいただくか、お住まいの福祉窓口へご相談ください。
手帳なしで利用するために準備しておきたい書類
手帳がない場合は、支援の必要性を示す書類を揃えることが第一歩になります。制度の仕組みとして、市区町村はこれらの書類をもとに支給の要否を判断するためです。一般的に、次のようなものが該当します。
- 医師の診断書または意見書(対象の診断名や就労に関する所見が記載されたもの)
- 自立支援医療受給者証(申請時の確認資料となる場合があります)
- 本人確認書類・マイナンバーがわかるもの
- 収入や世帯状況がわかる書類(利用料判定のため)
「書類集めが難しそう…」と感じられるかもしれませんが、心配はいりません。相談支援事業所や事業所の職員が手続きに寄り添います。実際にかえでへ相談に来られる方の中にも、「まだ診断は受けていないけれど、働きたい気持ちはある」という段階からスタートされる方がいらっしゃいます。一人で抱え込まず、まずは気持ちをお聞かせいただければ大丈夫です。
手帳の代わりに支援の必要性を示せる書類と、実際に利用するときに必要になる受給者証を、表に整理しました。
| 書類 | どこでもらうか | 備考 |
|---|---|---|
| 医師の診断書・意見書 | 通院している医療機関(主治医) | 支援の必要性を示す資料になります。どの書類が必要かは市区町村によって異なります |
| 自立支援医療(精神通院)受給者証 | お住まいの市区町村の窓口で申請 | 通院していることを示す資料として使える場合があります |
| 障害福祉サービス受給者証 | お住まいの市区町村(支給決定のあとに交付) | A型の利用に必要になるものです。上の書類などをもとに申請します |
受給者証と障害者手帳は別のものです
障害者手帳は、障害の状態を示す手帳です。一方、障害福祉サービス受給者証は、A型などの福祉サービスを使うために市区町村が交付する証明書です。A型の利用で必要になるのは受給者証のほうで、手帳を持っている方も、受給者証がなければ利用を始めることはできません。
最初の相談先は市区町村の障害福祉の窓口です
受給者証の申請先は、お住まいの市区町村の障害福祉の窓口です。「手帳はないけれど、A型の利用を考えている」とそのままお伝えいただければ大丈夫です。相談支援事業所が申請の準備を手伝ってくれる場合もあります。
見学と並行して進めると安心です
申請から受給者証が届くまでの期間は、市区町村や状況によって異なります。事業所の見学・体験と、窓口への相談を並行して進めておくと、利用を始めたい時期に合わせやすくなります。
相談から利用開始までの流れ(5ステップ)
実際に利用を検討する場合は、次のようなステップで進みます。手帳がなくても、最初の一歩は「相談」からで大丈夫です。
- 1. 相談:事業所へ見学・相談を申し込みます。手帳がなくても問題ありません
- 2. 見学・体験:仕事内容や事業所の雰囲気を確かめます
- 3. 市区町村の窓口へ相談:障害福祉サービスの利用希望を伝え、受給者証の申請を進めます
- 4. 支給決定・受給者証の交付:必要書類をもとに市区町村が判断します
- 5. 契約・利用開始:サービス管理責任者が個別支援計画を作成し、あなたに合った働き方をスタートします
個別支援計画は事業所のサービス管理責任者が、ご本人の希望や状況をふまえて作成します。日々の相談や支援は職員がていねいに担当しますので、働き始めてからも安心です。手続きの詳しい流れは見学・利用の流れを、利用の意思が固まった方は利用申し込みのページもあわせてご覧ください。
A型・B型・就労移行支援の違いと手帳の扱い
「就労移行支援やB型は手帳なしで使える?」というご質問もよくいただきます。基本的な考え方は共通していて、いずれのサービスも手帳の有無だけで可否は決まらず、市区町村の支給決定と事業所との確認が必要となるのが原則です。それぞれの特徴を整理します。
- 就労継続支援A型:雇用契約を結んで働き、賃金を受け取ります(かえででは、給与は最低賃金以上です)
- 就労継続支援B型:雇用契約を結ばず、体調やペースに合わせて作業に取り組み、工賃を受け取ります
- 就労移行支援:一般就労を目指してスキルや生活リズムを整える、期間の定めがあるサービスです
どのサービスが合うかは、体調・希望する働き方・収入の必要性などによって変わります。「まず安定して働きたい」という方にはA型が選択肢になりやすいでしょう。かえでは雇用契約を結ぶA型のため、週5回の通所が基本の働き方です。PC業務・生成AI活用・SNS運用代行・動画編集・ネット物販など、適性に合わせた仕事内容をご用意しています。なお、通所が難しい事情がある方には在宅という選択肢もある可能性がありますので、詳しくはご相談ください。
対応エリアとよくある質問
かえでの対応エリアは、兵庫県の高砂市・加古川市・姫路市・播磨町・稲美町を中心に、広域でのご利用をご相談いただけます。最後に、よくいただくご質問にお答えします。
Q. 障害者手帳がなくても本当に申し込めますか?
A. 手帳がなくても、医師の診断書や自立支援医療受給者証などで支援の必要性が確認でき、市区町村の支給決定を受けられれば利用できる場合があります。可否は市区町村の判断によりますので、まずはお問い合わせください。
Q. まだ診断を受けていませんが相談できますか?
A. はい、「働きたいが、どう進めればよいかわからない」という段階からご相談いただけます。必要に応じて、受診や福祉窓口での相談の進め方もご案内します。
Q. 手帳なしで利用する場合、給料はもらえますか?
A. かえででは、給与は最低賃金以上です。具体的な金額は勤務条件や地域により異なりますので、詳しくはお問い合わせください。
あわせて読みたい記事もご紹介します。診断書の要否は就労継続支援A型に診断書は必要か、見学から利用開始までの進み方は見学・体験利用の流れ、B型との違いはA型とB型の違いでご説明しています。
あらためて、障害者手帳を持っていないことは、就労継続支援A型を利用するうえで大きな壁ではありません。大切なのは「働きたい」という気持ちと、支援の必要性を確認できること。かえででは手帳の有無を問わず、その方に合った働き方を一緒に考えます。ご不安な点があれば、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。まずは見学からでも大丈夫です。
※2026年8月29日現在の情報です。制度・金額・条件は変更される場合があるため、最新情報は事業所および市区町村・日本年金機構・ハローワーク等の公的機関へご相談・ご確認ください。


